Story of a Neighborhood Association
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第一話 とある町内会の物語
第一章 うちの町は、だいたい平和だ(った?)
僕の町には、公園が三つある。
いちばん大きなセントラル公園と、その少し隣にあるミドルパーク。
そして、ブランコとすべり台だけの、小さなポケット公園がいくつか。
町内には全部合わせて、だいたい二百軒くらいの家が並んでいる。
朝はどこかでトーストの匂いがして、夕方になると、犬の散歩の人たちが同じ道を行ったり来たりする。
そんな何処にでもあるような、ごく普通の町内だ。
回覧板がときどき止まったり、夏祭りの出店の場所取りで毎年ちょっとした口論も起きる。
でもまあ――
「うちの町は、だいたい平和だよね。」
そう言えるくらいには、穏やかな場所だった。
少なくとも、ちょっと前までは。
第二章 問題の多い家族
どこの町でもたくさんの人が住んでいる以上、色々な考え方があるのは当然なのだが、最近の僕の町内には少し不穏な雰囲気が漂っている。
もちろん今までも諍いや争いが無かったわけではないのだけど、ここ暫くは比較的平穏だったのだけど。
町の西側には、大きな家がある。
セントラル公園とミドルパーク、その両方に面した、とても目立つ場所だ。
この家は、少し前に引っ越してきたばかりなのに、町内会の仕事を積極的に引き受けたり、困っている家を手伝ったりして、すぐに住民の多くから尊敬され、信頼を集めるような家だった。
「困ったら、西の家に相談しよう」
そんな言葉が、自然と出てくるくらいだった。
でも最近、その家のご主人が代替わりした。
新しいご主人は、少し現実的で、少し短気な亭主関白な人だった。
「ねえ、なんでウチだけこんなに町内会費払ってるの? これ不公平じゃない?」
確かに、間違ってはいない話だったのだが、でも続いた言葉がよくなかった。
「もっとみんな払ってよ。じゃないと町内会の委員やめるから」
その一言で、町の空気が、ほんの少しだけ変わった。
困ってはいるけど、誰も本気で怒っている訳では無い。
だって今まで頼りっきりになっていた自覚は有るから。
でも、なんとなく距離ができた。
そんな感じだった。
セントラル公園の向こう側には、昔から大きな家が二軒ある。
北の家と、東の家と呼ばれており、どちらも昔はとても栄えていて、町内の中心のような存在だったらしい。
公園からは少し離れた場所にあって、普通に遊びには行けるけど、公園のすぐ前に家があるわけじゃない。
それが、どうにも面白くないようだった。
北の家は、大きいけれど、周りを小さな家に囲まれている。
昔はその小さな家たちと仲が良かったし、親分肌のご主人は周りの人たちを上手く取りまとめていたようだった。
でも代が変わるにつれ、いくつかの家と仲違いしてしまい、そのうちの何軒かが、公園沿いの仲良しグループに入れてほしいと言い出した。
ある日、北の家のご主人が、お隣の家に怒鳴り込んだ。
「そこは元々ウチの土地なんだ! あっちのグループと仲良くするな!」
でも土地は、引っこ抜いて運べるものじゃない。
怒鳴り声だけが、夕暮れの町に響いた。
一方、東の家は、もっと静かに動いていた。
表では、いつも「うちはあんまり余裕がなくてね」言っているのだけど、でも実はかなりお金持ちだったりする。
町のあちこちに野菜やお菓子を売りに行き、お金が払えなくなったら、その家の庭に小屋や倉庫を建てさせて貰っている。
そうやって、少しずつ「お友達」を増やしていった。
でも東の家が本当に欲しいのは、セントラル公園のすぐ前の場所だった。
だから最近、公園沿いの家の周りをやたらとうろつくようになった。
足跡が、少しずつ増えていき、ときには庭にまで侵入してくる。
「ここ、ボクの散歩コースなんだよね」
そんな理屈、聞いたことがない。
もう一軒の困った家もできた。
わりと最近、この町に引っ越してきた家があるのだが、どうやら自分の敷地が狭くて不満らしい。
だからと言って、隣の庭を勝手に耕すのはどうなんだろう。
「もともと、この辺はウチの土地だった気がするんだよね」
そんなことを、平気で言う家なのである。
もちろん町内の人たちは注意するのだが、その家は西の大きな家の親戚らしく、あまり強くは言えなくて、みんなちょっと困っていた。
第三章 庭の杭
ある朝。
セントラル公園沿いの家の庭に、一本の杭が立っていた。
昨日までは、なかったものだ。
「……これ、誰が?」
抜けばいいのだけど、でも抜いたらどうなる?
みんな内心では分かってはいるのだけど、あとの報復が怖くて声を挙げられない。
一応注意はしても「だってウチのペットの散歩道だし。」と嘯いて取り付く島もない。
大人たちは、顔を見合わせる。
子どもが、ぽつりと言った。
「ねえ、これが増えたらどうなるの?」
その言葉に、誰も答えられなかった。
数週間後。
少しだけ風の強いある日、あの杭は二本になっていた。
誰が立てたのかは、解っているけど、分からない。
でも、昨日まで一本だったのは確かだ。
町の空気が、少しづつ重くなる。
それでも、町は動き続ける。
西の家は会議で忙しくて、もう自分に関係の無い話には動く気が無いらしい。
北の家は、みんなの目線が自分の喧嘩から離れるのを幸いと、遠くから様子を見ている。
東の家は、今日も公園の周りを歩いている。
そして子どもたちは、いつも通りブランコの順番でケンカして、五分後には一緒に笑っていた。
エピローグ
町内会は、まだ壊れていない。
でも、少しづつ機能しなくなってきて、そこかしこからギシ……と音がしている気がする。
この先どうなるのかは、まだ誰にも分からない。
大きなケンカになるかもしれないし、なんだかんだと「大人の対応」と言う奴で続いていくのかもしれない。
ただ一つ確かなのは――
この町には、まだ子どもたちの笑い声があるということだ。
それがあるうちは、きっと何かをやり直し、みんなが仲良く暮らせるチャンスも残っているのではないか、と僕は思う。
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